非正規社員の戦力化に使える キャリアアップ助成金(正社員化コース)を中小企業が活用するコツ

人手不足が続く今、中小企業にとって大切なのは「採用」だけではありません。

今いる非正規社員に長く安心して働いてもらい、戦力として定着してもらうことが、会社の成長につながります。

そんなときに活用したいのが、令和8年度のキャリアアップ助成金「正社員化コース」です。

厚生労働省は令和8年4月8日に最新のリーフレットやQ&Aを公表しており、今年度も正社員転換を後押しする制度として案内しています。

このコースは、有期雇用労働者や無期雇用労働者を正社員に転換した場合に助成を受けられる制度です。

中小企業では、有期雇用から正社員へ転換した場合、重点支援対象者なら80万円、それ以外は40万円、無期雇用から正社員へ転換した場合は重点支援対象者40万円、それ以外は20万円が支給対象とされています。

重点支援対象者については、2期に分けて申請できる仕組みです。

この助成金の魅力は、単に助成額が大きいことだけではありません。

正社員転換を進めることで、社員のモチベーション向上、離職防止、教育効果の向上が期待できます。

採用市場が厳しい時代には、新しく人を採ること以上に、すでに働いている人に「ここで長く働きたい」と思ってもらうことが重要です。

正社員化コースは、そのための後押しになる制度といえます。

制度の目的自体も、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップ促進にあります。

ただし、助成金を受けるには実務上のポイントを押さえる必要があります。

まず、キャリアアップ計画は取組実施日の前日までに提出しなければなりません。

さらに、就業規則などに正社員転換制度を定め、実際にその規定に基づいて転換を行う必要があります。

加えて、正社員転換後6か月間の賃金は、転換前6か月と比べて3%以上増額していなければなりません。

申請期限は、その6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です。

また、令和8年度版の資料では、キャリアアップ助成金上の「正規雇用労働者」として認められるには、通常の正社員に適用される就業規則が適用されていることに加え、「賞与または退職金制度」と「昇給」が転換時点で適用されていることが示されています。

形だけ正社員にしたのでは足りず、処遇面も含めて正社員として整備することが大切です。

正社員化コースを上手に活用するコツは、「助成金をもらうこと」を目的にしすぎないことです。

自社でどの人材に長く活躍してほしいのか、どのような処遇なら定着につながるのかを考え、そのうえで制度を活用することが重要です。

採用・定着・育成を一体で考える会社ほど、この助成金を効果的に活かしやすいでしょう。

令和8年度、非正規社員の戦力化を進めたい企業は、早めに制度内容と就業規則を確認しておくことをおすすめします。

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