人材不足が深刻化する中で、経験豊富な高年齢者を長く雇用したいと考える企業は増えています。そんな企業の取り組みを支援する制度が 「65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)」 です。本助成金は、50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者へ転換した事業主に対して国が助成金を支給するもので、高年齢者の雇用安定と長期就労を後押しします。
高年齢者の雇用推進は、政府が進める 「生涯現役社会」 の実現に欠かせない政策の一環です。有期契約で働く高年齢者が増える一方、雇用の継続性や待遇の改善が求められています。こうした課題に対応するため、企業が無期雇用制度を導入し、高年齢者の雇用機会を確保する取り組みに対して助成を行うのが本コースです。
どんな企業が対象となるのか
本助成金の対象となるのは、次の要件を満たす事業主です。まず 有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度(無期雇用転換計画)を就業規則などで整備し、事前に認定を受けていること が必要です。計画には、実施時期や対象者の条件などが明示されていなければなりません。
また、実際に転換した労働者については、転換後に6か月以上継続して雇用し、その間の賃金を支給すること が要件となります。転換する対象は 50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者で、無期雇用への切り替えにより働き続けられるようにすることが求められています。
企業がこの計画を策定し、実施に移すことで、雇用の安定や従業員のモチベーション向上にもつながります。
支給される助成金の金額
助成金の支給額は、企業の規模によって異なります。中小企業の場合は対象労働者1人につき30万円、その他の企業では1人につき23万円 が支給されます。1つの事業所につき、同一年度で最大10人まで が上限です。
例えば、中小企業が高年齢の有期契約社員を無期雇用に転換し、6か月以上雇用を継続させた場合、10人までであれば 最大300万円 の助成金を受け取ることができます。助成金が支給されることで、転換に伴う制度整備や採用・定着支援の費用負担が軽減され、より取り組みやすくなります。
申請の流れとポイント
本助成金を活用するためには、まず 「無期雇用転換計画書」 を作成し、所定の期間※に認定を受ける必要があります。計画書の提出期間は、無期雇用転換の開始日から逆算して 6か月前~3か月前の間 が目安です。認定後、計画に従って制度を実施し、対象者を無期雇用に転換します。
転換後6か月分の賃金を支払った後、必要書類を添えて 支給申請書 を提出します。申請書は、転換日以後6か月分賃金支給日の翌日から 2か月以内 に提出する必要があるため、スケジュール管理が重要です。
まとめ:高年齢者雇用の推進に活かす
「高年齢者無期雇用転換コース」は、単なる助成金制度ではなく、企業の雇用戦略そのものを進化させるチャンス です。経験豊富な人材を安定的に確保し、長期的な戦力として活躍してもらうための仕組みづくりとして、本助成金をぜひ検討してみてください。企業の人材戦略と高年齢者の雇用促進を同時に進める有効な支援策であることは間違いありません。
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