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複数の信用保証付き融資を一本化して返済額を軽減できる「借り換え保証制度」

中小企業の経営者から、「返済負担が大きく、資金繰りが厳しい」といった相談が増えています。特に、保証付き融資をいくつも抱えている企業では、売上の回復が追いつかず、資金繰りが慢性的に圧迫されているケースも目立ちます。こうした状況に対応する支援策のひとつが、信用保証協会の「借り換え保証制度」です。

この制度を利用すれば、複数の保証付き融資をまとめて一本化し、返済期間を見直すことで、月々の返済額を軽くすることができます。

1.経営を立て直すための「はじめの一歩」に

借り換え保証制度は、単なる「返済の先延ばし」ではありません。この制度をうまく活用すれば、資金繰りに余裕が生まれ、経営改善や事業の立て直しに集中できる環境を整えることができます。

とくに、返済の負担が重く、新たな資金調達が難しいと感じている企業にとっては、今の経営状況を立て直すためのスタートラインになる制度です。借入の見直しによって気持ちと資金の両面に余裕が生まれれば、売上回復や事業拡大に向けた前向きな行動にもつなげやすくなります。

2.複数の融資をまとめて毎月の返済負担を軽くする

この制度の大きな魅力は、複数の保証付き融資をまとめて一本化し、返済期間を見直すことで月々の返済額を軽くできる点にあります。これにより、今までは返済に追われていた資金の一部を、仕入れや販促、設備の整備など、本来使うべきところに回せるようになります。特に、これから回復を目指す事業者にとって、資金繰りに少しでも余裕が生まれることは、大きな安心感と前向きな一歩につながります。

3.資金繰りを改善し、前に進んだ企業の例

実際に、借り換え保証制度を活用して経営を立て直した企業もあります。地方で飲食店を営むある企業では、月々30万円の返済が重荷になっていた保証付き融資(合計約1,500万円)を4本抱えており、資金繰りがひっ迫していました。そこでこの制度を使い、4本の融資を一本化。さらに、今後の事業展開に備えて追加で500万円を同時に借り入れ、あわせて2,000万円の借入として一本化しました。返済期間を10年に見直すことで、月々の返済額は約20万円に抑えられ、キャッシュフローに大きなゆとりが生まれました。その結果、新メニューの開発や店舗改装といった前向きな取り組みにも着手でき、借り換えをきっかけに事業の再スタートを切ることができました。

4.実際にこの制度を利用する際の段取り

借り換え保証制度を活用するには、まず取引のある金融機関に相談し、自社が制度の対象となるかを確認することから始めます。そのうえで、現在の借入状況を整理し、直近の試算表や資金繰り表、今後の収支計画などを用意しておくと、手続きがスムーズに進みます。

さらに、税理士や融資支援に詳しい士業・コンサルタントなど、信頼できる専門家のサポートを受けることで、書類の作成や手続きに対する不安も軽減されます。早めに動くことで、借り換えの条件や追加融資の可能性といった選択肢が広がり、よりよい形で経営を立て直すチャンスが生まれます。

 

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