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直近決算が赤字・債務超過でも融資を受けるためにできること

中小企業の経営者から、「金融機関に融資を申し込んだが、直近決算が赤字・債務超過で断られてしまった」という相談が増えています。特に、「今回の融資が通らなければ、資金繰りが厳しくなる」と切羽詰まった状況での相談が目立ちます。今回は、赤字決算・債務超過による融資否決の背景と、対応策について整理しました。ぜひ、今後の資金調達の参考にしてください。

1.なぜ赤字や債務超過だと融資を断られるのか?

金融機関が最も重視するのは「返済能力」です。特に付き合いの浅い金融機関では、決算書上の利益や財務状態のみで判断されるため、赤字や債務超過があると「返済が難しい」と見なされやすくなります。債務超過であれば、「貸しても資金を回収できない可能性が高い」と判断され、融資に慎重になるのは当然の流れです。ただし、その状態に至った理由や今後の改善見通しを明確に伝えることができれば、再度融資申請をすることも可能になります。

2.対応策① 赤字の原因を明確にし、補足コメントを添付する

金融機関が恐れるのは、「今後も赤字が続くのではないか」ということ。したがって、赤字が一時的なものであるなら、その理由を補足資料として丁寧に説明しましょう。たとえば、「一時的な外注費の増加」「大型投資による減価償却費計上」「一時的な売上減少」など。こうした内容を決算書にマーカーを引いて明示し、補足コメントを添えると理解されやすくなります。翌期の改善見通しについても、数値や資料で裏付けると効果的です。

3.対応策② 直近の試算表で回復傾向を見せる

赤字決算は過去の記録であり、今の状況を示すものではありません。直近で業績が改善しているなら、月次試算表や損益実績を使ってアピールすることが大切です。2~3か月連続の黒字や売上増加などがあれば、グラフや表で視覚的に示すと効果的。「現状は改善しており、将来の返済も可能」と印象づけることができます。

4.対応策③「月次収支計画」で今後の回復見込みを提示する

金融機関は、今後の見通しにも強く注目します。「いつ、どのように黒字化するのか」を、月次単位の収支計画で示すことができれば、再審査に前向きに取り組んでもらえる可能性があります。売上、原価、販管費、利益などを月別に整理し、受注見込みや経費削減計画などの裏付け資料も添えましょう。将来に向けた具体的な計画があることで、金融機関も安心して判断できます。

5.対応策④「つなぎ資金」として短期融資を依頼する

どうしても長期融資が難しい場合は、「短期のつなぎ資金」として融資を依頼するのも一つの方法です。特に、補助金の入金が数ヶ月先、売掛金の入金が遅れるなど、一時的な資金不足である場合は、手形貸付のような短期融資で対応してもらえる可能性が高まります。このとき重要なのは、「いつ・どこから・いくらの入金があるか」という返済原資の裏付けを、契約書や請求書などの資料で明示することです。資金の使い道と返済の道筋が明確であれば、赤字企業であっても金融機関は融資を検討しやすくなります。

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