2025年1月以降は、いろいろと新たな融資・保証制度が創設されます
2025年1月、中小企業庁から「2025年1月以降の中小企業向け資金繰り支援について」という資料が公表されました。この資料には、新たな資金調達やコロナ融資の返済で悩んでいる中小企業にとって、助けとなる融資制度や保証制度も含まれていますので、解説させていただきます。
1.「経営改善サポート保証(経営改善・再生支援型)」の創設
コロナ禍等で多くの借入を行ったものの売上高等が改善しない中小企業者が、早期に事業再生の取組を進めるために必要な資金の借入を保証する「経営改善サポート保証制度(コロナ対応)」がありましたが、この制度は、2025年3月で終了となり、終了後は「経営改善サポート保証(経営改善・再生支援型)」が創設され、経営改善・再生計画を策定することで借換ができるようになります。
コロナ融資の返済が多くて資金繰りに苦しんでいる企業が活用できる制度になるでしょう。
<制度概要>100%保証は100%保証で借換/保証料0.3%/上限2.8億円/保証期間15年
2.資金調達に使える新たな保証制度の創設
人手不足に対応する省力化投資など、多岐にわたる経営課題に対応した資金繰りを支援するために「プロパー融資を引き出す保証制度」が創設されます。
この制度名は仮称のため、今後この制度に関しては制度名が変わるかもしれません。
<制度概要>80%保証/保証料引下げ/上限2.8億円/保証期間10年
3.公庫のコロナ融資を借り換えて返済負担を軽減できる制度の創設
日本政策金融公庫の「コロナ特別貸付」は、2024年12月で終了しました。
終了前において、この融資制度の用途の多くが借り換えによる返済負担軽減だったことから、同じように借り換えのできる「危機対応後経営安定貸付」が創設されます。
公庫のコロナ融資の返済に苦しんでいる企業にとって利用できる制度になるでしょう。
<制度概要>限度額20億円/貸付期間20年/基準金利を適用
4.「コロナ資本性劣後ローン」は、2025年2月まで延長と「通常資本性劣後ローン」の内容見直し
比較的使いやすかった「コロナ資本性劣後ローン」は、2024年12月末で延長予定でしたが、2025年2月まで2ヶ月間延長となりました。
また、事業者からのニーズは高いものの利用のハードルが高かった日本政策金融公庫の「通常資本性劣後ローン」については、省力化投資に取り組む事業者を対象に追加する等の見直しを行い、事業者の成長を支援するという内容に変更になります。
「省力化投資補助金」との親和性が高い制度になるでしょう。
※新たな制度が創設されたばかりのタイミングの時に当該融資制度や保証制度を申し込むと、公庫も金融機関も通常よりも積極的に対応してくれる傾向にあります。上記制度の利用要件に当てはまる場合、制度がはじまったタイミングで申し込まれることをお勧めします。
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